~クトゥルフの呼び声TRPGシナリオ「惑いの欠片」~ 最終更新:2015/11/10 (注意:このシナリオは某動画サイトで仮想卓化しており、動画内の文章や内容と異なる部分がありますが、このテキストを正としてください。) 1.はじめに おおよそ一本道の、二人用クローズドサークルシナリオです。KPとのタイマン、PL2名どちらでも可。 基本的に戦闘はなく、特別謎解きもありませんが、トラップ踏抜き次第でSANチェックの機会はそこそこあります。 推奨職業はありません。 持ち物は<幸運>で日中に持っているものなら持ち込み可。 推奨:目星、聞き耳、精神分析 准推奨:薬学、応急手当 使用する機会がある(なくても困らない):図書館、英語、杖(ハンマー)、隠れる、博物学、追跡 2.あらすじ 二人は気付くと見知らぬ森の中、見知らぬ建物の前に立っていました。 進むにも引くにも、甘い芳香が二人を誘い、否が応でも建物の中へ招き入れます。 充満する芳香に抗い、建物から脱出できるでしょうか。 ↓以下、スクロールで『目的』 3.目的 二人のうち、片方は目が、もう片方は耳が聞こえなくなっていきます。 これはヴルトゥームが故郷から持ち出した、奇妙な化石化した花の欠片が生成した薬物による幻です。 この薬物は非常に強力であり、欠片ですら知覚に影響を及ぼします。 しかし、欠片は同時に幻覚を解除する鍵ともなります。 匂いに囚われることなく、欠片を破壊すれば、幻覚の世界から開放されるでしょう。 謎解きはほとんど無いに等しく、一本道ですが、トラップのようなものはいくつかあります。 SANはそれなり削れるかもしれません。 タイムアップはまあまあエグいです。 !!このテキストに書かれた技能補正値やイベントはKPの思う難易度に合わせて変更・取捨選択してください。!! 4.構造と背景 ヴルトゥームの芳香に支配された狂信者(研究者)の研究室が舞台です。 ヴルトゥームの故郷は火星であるため、狂信者(研究者)は地球でヴルトゥームの奴隷を増やそうと、ヴルトゥームの故郷から持ちだされてきた 『奇妙な化石化した花』を増やそうとしていました。 『奇妙な化石化した花』は、ヴルトゥームと同じ、甘い香りのする幻覚性の芳香を放ち『すばらしい楽園を見せて』ヴルトゥームの奴隷とする、 薬物を生成することができるのです。 しかし、その動きは他の邪神などを信仰する狂信者らに目をつけられ、狂信者(研究者)は己の魔術を以って異なる世界へ逃げ込みました。 空間はやがて廃れ、『化石化した花』は今では欠片しか残りませんでした。 化石化した花は『欠片』となったことで効力こそ減ったものの、未だヴルトゥームの奴隷を求めて異空間より干渉してきます。 探索者たちはそれに巻き込まれることとなります。 不死のはずの狂信者(研究者)の行方はしれません。 ドリームランドに近づきすぎて別のいきものへ変わってしまったか、眠りの大帝ヒプノスに捕まってしまったか。 ――この状況を、彼の百万の恵まれた(る)もの(ども)の中の三体、『嘆きの聖母たち』は知っていました。 時に本物の聖母と間違われ信仰されることすらある三姉妹ですが、ニャルラトテップの影響下にある存在です。 彼女らは面白がってちょっかいを出してきます。 時間以内に芳香の誘惑を退け脱出できなかった場合、彼女たちによる罰ゲームが下されるでしょう。 基本的な時間制限は3時間。 ※ひと部屋30分程度。選択要素の採用数に応じて増やして下さい。 <聞き耳>成功による甘い香りの強さで時間の経過を伝えましょう。 ※この時、幻覚によって減っていくのは聴覚なので、嗅覚としての<聞き耳>は素の値になります。 部屋は4つあり、以下の構造となっています。 楽園 研究室  └┬┘   書斎  温室   スタート地点 温室には蔦の妨害があり、始めは入ることができません。 基本的な流れは スタート→書斎→研究室・楽園→温室→研究室→エンド となるでしょう。 5.NPC なし 6.進行 Ⅰ.導入 <とある、夏の暑い日のことです。  日中、外を歩いていた二人は、強い日差しのせいでしょうか、立ちくらみを覚えます。  その時は耐え、倒れることは避けた二人ですが。  ふと、視界の端に一本の花を捉えます。その花は驚くほど甘い芳香を放ち、二人の鼻孔へと届きます。> <踏みとどまっていた意識は、そこで暗転するのでした。> 暗い暗い森の中、探索者はとある建物の前にいます。 腐敗した植物やら蔦やらに覆われていて、さらに暗闇もあり、建物の全貌はわかりません。 <幸運>に失敗すると持ち物がなくなっています。 ※この先は植物に濡れた場所です。火をつけることがあればすぐに燃え広がるでしょう。 目の前には古ぼけた扉があります。 <目星>に成功すると、その扉にもよく見ると植物が絡みついていることがわかります。周囲の腐敗した植物とは異なる、生きた植物です。 扉に近づくと、その奥から甘い香りが漂ってきます。 そこで<POW*5>に失敗すると、香りに誘われるがまま扉を開けてしまい、奥から現れた蔦に引きずり込まれてしまいます。 その際、蔦の強襲により【0/1のSANチェック】が発生します。 慎重に開けたうえで<POW*5>に成功すれば、真っ暗な闇が迎えます。 また、匂いに対して<博物学>に成功すると、今までに嗅いだことのない花の香だとわかります。 闇の中を進むか、蔦に引きずられていく間に香りは徐々に強くなり、やがて探索者の意識を奪います。 Ⅱ.探索 ※時間カウントはここからスタート <周囲はところどころが苔や蔦などに覆われており、得体の知れない花がぼんやりと光っています。  よく見れば、光っているのは花ではなく、花のそばのヒカリゴケがエメラルド色の光を発しているのです。> 部屋を見回しているうちに、各自変化に気付きます。 片方は耳が遠くなり、もう片方は視界が多少霞んでいるように感じます。 具体的には、片方が目星+5・聞き耳-10、もう片方が目星-10・聞き耳+5となります。 扉は二つあります。 片方は最初のものと同様に古ぼけているが普通のもの、もう一つは蔦に覆われたものです。 ★古ぼけているが普通の扉:技能ロールしてもなにもありません。 ★蔦の扉:用意のないまま蔦の扉に目星などの技能を行おうとした場合、先に<幸運>を振らせます。  成否に関わらず、扉を覆っていた蔦はむくりと起き上がり、襲いかかってきます。  幸運に成功していた場合は探索者のそばの床を打ち付けるだけで済みます。  失敗していた場合は、蔦に打たれ、さらに絡みつかれて対象の耐久を-1します。  蔦を引き剥がすには、<STR11との対抗>を行います。協力可能。  引き剥がせないまま二人とも行動が終了するごとに、絡みつかれた対象の耐久を-1します。 /////////////////////////////////////////////////// 今後の能力変化は<POW*5>の成功可否によって変化します。 タイミングは任意ですが、一部屋一回くらいが妥当でしょう。 POW*4→POW*3→…という風に徐々に減らしていっても良いでしょう。 成功した場合、上昇:+3、減少:-5 失敗した場合、上昇:+5、減少:-10 上昇する技能の最大値は99、減少する技能の最小値は0です。 25を切ると、視覚・聴力が並の人より支障を感じるようになります。 10を切ると、ぼんやりとしか見えず、大きな声でないと聞こえなくなります。 (この辺りで目星・聞き耳の情報は個別渡しにするのが自然かもしれません) 0になった場合、目、耳がまったく機能しなくなります。 目星、聞き耳が0になった場合は【1/1d3のSANチェック】がその時点で発生します。 ※それ以降、技能値が1以上にならない限りはPOWロールは発生しなくなります。 当然、目星、聞き耳がそれぞれ必要になるだろう技能にも影響します。 それぞれKPで妥当と思う技能を不可、またはマイナスしてください。 /////////////////////////////////////////////////// *書斎 狂信者の部屋。 【欠片についての情報を得られる】 <草の緑臭い匂いが鼻をつく荒れ果てた部屋ですが、書斎のようだと分かります。  蔦と苔に覆われた【テーブル】、いくつか本が入った【本棚】があります。  また、奥の方に扉が二つあります。片方はまた古ぼけた普通の扉ですが、もう片方は綺麗な状態を保っています。> ★テーブル:メモがあり、<目星>に成功で欠片の情報を知ることが出来る <化石化したその花は、麻薬などよりも危険で、官能的で、素晴らしく楽園を見せてくれる。  しかし、楽園を壊すのもその花である。> さらにメモへ<目星>成功で以下の一文を見つける。 <温室にて栽培を試みる。> ※後々詰まった時に蔦の除去方法を思いつかせる足がかりにしてください。  この一文を見たものは<アイデア>に+補正、など ★本棚:<図書館>or<目星-20>に成功で下のものが発見できる(1d2で決定)。    1→狂信者の手記を見つける。欠片の芳香への愛を書き連ねており気持ち悪さに【1/1d3 のSANチェック】。      <あの香りはわたしをまどわせてたまらない、tまらない、妖精が、わたsをてまきね、       うつくしいうるいわしらくえんが、わたしをyんで、夢とも異なる強力なまろぼし。       捨てられぬ、あいしている、らくえんからはあの甘い抱擁からは、わらいごえからは逃れられnい、わたしはしあわせだ。>    ※気味の悪い内容だということが伝われば良いです。    ※選択要素:『易しい植物の育て方』という小題とともに『天候を変える』の呪文が書かれている。     <英語>で1週間読みこめば習得できる。習得した場合は【0/1d2のSANチェック】を行うこと。     上記の発狂文のSANチェックは初見の際に別途で行う。     この要素を採用した場合手記は<英語>で書かれている。    2→目薬の作り方が分かる。一回分の材料付き。 *研究室 狂信者の研究室。 【欠片を破壊できる】 【薬の作り方がわかる・生成できる】 <森という程ではないが、雑草などが生えており、非常に雑然としています。> 書斎とは異なる【テーブル】があります。 ★部屋全体へ目星:ハンマーを発見できる。<ハンマー:杖・1d4+1+db> 指定したうえで目星:除草剤を発見できる。吹付け式。 ★テーブルへ目星:薬研や石臼といった製薬道具を発見できる。 ここでは、作り方を取得していれば<薬学+30>で指定した薬を生成できます。 ※<薬学>持ちがいなければ<薬学+50>でも良いです。時間を対価にしたお助けアイテム。一つ作るのに20分です。 目薬・難聴薬の生成に成功し、使用した場合、過去2回分の技能変化を元に戻すことができます。 例:前回で目星-5、前々回で目星-10 していた場合、目薬使用で目星+15、聞き耳-8となる。 一回ずつ行動した後、二人に<聞き耳>を振らせます。 聞き耳をした後、成否に関わらず1ラウンド以内に<隠れる>か部屋を出たりしない場合、探索者は以下のものを目にします。 ※<隠れる>に成功した状態でそっと様子を伺うならSANチェックの値を軽減するなどしても良い <背の高い雑草の中から、がさっと何か小さなものが飛び出してきました。  白く、耳の長いうさぎです。  彼は探索者たちを見ると、驚いたように後ろ足――否、二本足で立ち上がりました。  みるみる内に彼は膨れ上がり、探索者たちと同じくらいの大きさとなった時には、  ぼさぼさの髪をした、極端に長い耳、大きな目、げっ歯類のような鋭い歯を持った、奇妙なものへと変異していました。> 奇形への変異を見た探索者は【0/1d4のSANチェック】です。 彼は怯えたように、雑草の中へと(飛び跳ねるような足取りで)去っていきます。 <隠れる>をしながら目撃した場合は【0/1d3のSANチェック】へ軽減。 ※選択要素 男を3人出して戦闘させても良いでしょう。その際は囲まれることにより【1/1d4+1のSANチェック】に変更します。 その際、緑の神の子は人数が探索者より少なくなると逃走します。 発狂者がいたなら『狂人の洞察力』の成功でHPが最も少ない個体を伝えるなどしても良いでしょう。 /////////////////////////////////////////////////// 『緑の神の子』 STR、CON:3D6+3 SIZ、INT、POW:3D6+6 DEX:2D6+12 <かぎ爪>30% ダメージ 1D4+db <噛みつき>30% ダメージ 1D3 /////////////////////////////////////////////////// 追ってもこの先彼に遭うことはありませんが、<追跡>で追いかけるか、 逃げていった雑草の方で<目星>に成功すると一冊の本を見つけることができます。 内容は<難聴薬の作り方について>、また、難聴薬を一つ生成できるだけの材料のサンプルもあります。 ※ステロイド剤を内耳に塗布するイメージで *楽園 狂信者の見ていた楽園。 【幻覚の内容を知る】 【トラップ部屋】 ここのみ、時間経過に関わらず退出時に確実に能力変化が起こります。 (幻覚の影響が強いため) 技能を実施した場合は -10、+5、実施しなかった場合は -5、+3です。 <絵に描かれた楽園を体現したかのような部屋の中に、まるで妖精のような美しいものたちがいます。> 技能を行った時点で、各成功可否と同時に以下の処理をします。 ★目星→小妖精が近付き、妖艶に微笑む 目星に成功:よくよく見てみると、その小妖精は目が窪んだ老婆のような顔をしている。【0/1d3 のSANチェック】    失敗:微笑みに見とれ、POW-1 ★聞き耳→小妖精が耳元に息を吹きかける 聞き耳に成功:その吐息は、鼻をつく腐臭を伴っていた。【0/1d3 のSANチェック】     失敗:吐息にくすぐられ、POW-1 ※ここでPOW-1した場合、SAN値の変動は無し、幸運が5減少します。  このPOW-1はシナリオクリア後に元に戻ります。 そうこうしている内に小妖精どもは近づいてきます。 部屋を出るよう促しましょう。 なお、再びこの部屋に入ることがあれば、ヴルトゥームの一部が見えてSANチェック。 【1/1d8 のSANチェック】 ※もしこれが起こった場合、最後の温室で『恐怖への慣れ』を適用すれば難易度が下がります。 ※選択要素 その後楽園の扉を通り掛かる際に能力変化のPOWロールが起こる場合、失敗した者は楽園に誘われます。 すぐさま<精神分析>か、失敗者が<POW×5>に成功しなければ楽園に再び入ってしまい、上記のSANチェックが発生します。 *温室 狂信者が欠片を栽培しようとしていた温室。 この部屋に入るには、扉を覆う蔦を取り除く必要があります。 【除草剤】を使用する場合、ロール不要で取り除けます。 ハンマーなど物理的手段で取り除く場合、蔦との戦闘となります。 /////////////////////////////////////////////////// 耐久:12 STR:16 DEX:8 <打ち据える>60%:1d3ダメージ <絡みつく>60% :<組み付き>と同様 <叩きつける>30%:1d6 ※<絡みつく>後に使用 /////////////////////////////////////////////////// 蔦を取り除くと、部屋に入ることができます。 <そこは、森のような温室でした。  部屋に入った途端、甘い芳香がより密に、ねっとりと絡みつくように、探索者たちの鼻孔へ入り込みます。  抗えないほどの誘惑が、部屋の一角から放たれているのでした。> 誘われるまま進めば、花びらのような石の欠片を見つけます。 欠片を見つけたら、そのまま『ヴルトゥームの幻』へ。 ☆ヴルトゥームの幻 <欠片に近づくと、まるで意志を持った霧のように甘い芳香が探索者を包みました。  それを吸った瞬間、探索者は大きな大きな植物のようなものの前に立っていることに気付きます。  (不思議と目は見えており、しっかりと目の前の景色を見させられている)  それは青白く膨らみ、幹から枝状にわかれた無数の根を持つ巨大な球根植物のような形をしていました。  いちばん上には途方もなく大きな花のように朱色の萼がついていて、その萼から真珠色ですばらしく美しい、小妖精のような姿をしたものが生えていました。> 【1/1d10 のSANチェック】 探索者が我に返れば植物の姿はなく、元の場所に立っています。 欠片の発する匂いが見せた幻であり、ただちに遮断しないのであれば、欠片のPOW18と対抗を行わせます。 ※綺麗な扉の先で楽園を見ていた場合、耐性ができているとして対抗値に+20できる。 失敗すればなんとも言いようのない恍惚感と高揚感に満ち満ちた、楽園の幻覚を見ます。 この幻覚を見てしまった場合、欠片に囚われ強制的に<妄想>の発狂となります。期間は1d10+4ラウンド。 <再びあの楽園が見えます。  おぞましいと思ったはずのうつくしい妖精たちも、今はただすばらしく妖艶なものとしか思えません。> <精神分析>に成功すればただちに解除されます。RPで妥当とするボーナスを付与して良いでしょう。 二人して発狂した場合には、<幸運/2>に成功すればただちに発狂を解除できます。 匂いを遮断するには服程度の厚みのあるもので包むので十分です。 欠片の匂いさえ吸わなければ、所持していても問題ありません。 ※選択要素 温室から欠片を持って脱出する際に、周囲の蔦が邪魔をしてくるため<DEX8との対抗ロール>が発生します。 失敗すれば足止めされて温室から脱出できません。 ※選択要素2 温室は匂いが充満しています。 <目星>と<聞き耳>の0を狙って、温室を脱出するまで毎ターン目星聞き耳変化を発生させても良いでしょう。 ☆脱出・クリア 欠片を粉々に砕けば、元の世界へ戻ります。 石臼を利用するならロール不要、ハンマー使用なら<杖かハンマー>でロールします。 ※他にも良い案がPLから出るようなら採用してください。砕ければ何でも良いです。 しかし、匂いを遮断していない場合、欠片の妨害により<POW18との対抗>が発生し、抵抗に失敗すれば妄想の発狂に陥ります。 成功しても欠片を砕こうとした場合躊躇するため、先に<POW*5>に成功する必要があります。 <欠片が砕けると、『がらがら』と壁が崩れるかのような音が聞こえてきます。> 楽園を見に行けば、綺麗な扉はすっかり崩れていて、中から白い光が溢れています。 <白い光の中を進むと、あれほどに充満していた甘い匂いが徐々に薄れていきます。  それに併せて、二人の視力・聴力は徐々に戻っていきます。周囲はすっかり光に覆われ、はっきりとそこにあるのは、ここまで共にいた人のみです。  そして、やがて、二人の意識はホワイトアウトしていきます。  ――気付いた時。  二人は、木陰の下で何人かの人の心配そうな視線を受けながら目覚めるのでした。> 気絶は数分にも満たない間のこと、熱中症などと診断されるかもしれません。 ***クリア報酬*** シナリオクリアした:1d10のSAN回復 目星・聞き耳どちらも0にならなかった:1d5のSAN回復 ※戦闘を行った場合→緑の神の子を戦闘で追い払った:1d4のSAN回復 不定は【心因性の視力or聴覚障害】・【妄想】・【植物恐怖症】のどれかをおすすめします。 負っていた怪我はすっかり消えています。(HPが全快します) また、<楽園>でPOW-1されていた場合も元に戻ります。 ☆タイムアップ 時間切れの場合。 <甘い芳香に、もはや呼吸すらままなりません。  探索者の意識を一瞬奪い、ホワイトアウトさせ、そして彼らが次に見るのは楽園の風景でした。  そこに小妖精らはおらず、代わりに三人の女性が立っています。  一人は、頭に冠を戴いた、皺だらけの年老いた老婆。  一人は、頭に崩れかかったターバンを巻いた、成熟した女性。  一人は、小塔状の冠を戴いた、若く美しい少女。  <目星を失う探索者>は気付きます。もはや視力は一生戻らないことに。  <聞き耳を失う探索者>は気付きます。もはや聴力は一生戻らないことに。  二人は気付きます。視力と聴力を失ったことによる嘆きが、どうしても声帯を震わせないことに。  それが彼女たちの力であると、気付く間はあるのでしょうか。  『幻を現に、そして絶望するがいい』  二人はどこかから響く遠い笑い声を耳にしながら、元の部屋で意識を覚醒させるのでした。> その後、視力を奪われた探索者は目が見えなくなり、聴力を奪われた探索者は耳が聞こえなくなります。 そのうえ、二人共言語障害となり、話すこともままならなくなります(失語症)。 各自聖母による能力を知ったことで【0/1d4 のSANチェック】、さらに、言葉を失ったことによる【1/1d6 のSANチェック】を行います。 未クリアとなりSAN回復はありません。不定による処理は別途行ってください。 永久不定の扱いですが、場合によっては長期不定の扱いでも良いでしょう。 7.死亡処理 死亡するとしたら、耐久が0になった時でしょう。 死亡した探索者はその場で消えてしまい、残された探索者に【0/1d6のSANチェック】が発生します。 死亡した探索者は現実で目を覚ましますが、死の経験により、1d10のSANを損失したうえでクリア報酬が得られなくなります。 また、【植物恐怖症】の不定を固定で得ます。 8.裏話 Q.なんか余計なものがある(聖母) 元々ヴルトゥームだけのネタのはずだった。 ただ、視力と聴覚を奪うのがまさしく嘆きの聖母たちの能力と被ったし、彼女たちはニャルさまの百万の恵まれたものの中の三体というので、 ちょっかい出しでいいよね、ということで。 Q.聖母たちの能力? 聖母の長女、マーテル・ラクリマルムはPOW対抗で相手を聴覚障害にします。 次女、ススピリオルムは同様にして相手を言語障害にします。 三女、テネブラルムは同様にして相手を視力障害にします。 ちなみに、楽園でSANチェックの原因になった小妖精は聖母たちが姿を変えたものです。 Q.目薬とか塗る系難聴薬で能力戻るの? 病は気から。幻が多少解けるため、能力がちょっと元に戻るわけです。 9.能力値一覧 基本戦闘がないため、敵データなし。 作成者:モノ 『クトゥルフの呼び声TRPG』 『マレウス・モンストロルム』 ※改変自由。ログ化・動画化自由。報告不要。自作発言だけはご勘弁を。